新年あけましておめでとうございます。
遅ればせながら、新しい年が明けました。
平成最後のお正月を、いかがお過ごしでしたでしょうか。
皆様にとりまして、今年も明るい希望の見える、良い年でありますように、お祈り申し上げます。
そして、装い新たな、墨礼会を、どうぞよろしくお願いいたします。
さてそのすみれ会が今年ももう既に始まっております。
新学期開始で短縮授業の小学生Ⅿちゃんがみえたのは、午後まだ早い、日差しの暖かな時間帯でした。
学校の書き初め大会を明日に控え、昨年暮れからの練習の成果を確認がてら、一番乗りで今日もしっかりとお稽古する、意欲満々の頼もしさです。
そんなやる気はやはり確実に字の勢いになって伝わってくるものですね。
Mちゃんは昨年度、学生展で「特選」の受賞をされましたので、今年も秘めた思いがあるはずです。
今回も、学校の課題だけでなく、学生展の作品にも並行して取り組んでおられます。
書道が大好きです!というお年賀状をくださるMちゃんなので、一生懸命に書いて、今年もますます上達なさると思います。
夕方になると、寒さはいよいよ厳しくなって、お稽古通いがさぞかしたいへんだろうなあと案じられます。
保育園帰りのママに連れられ小さな生徒さんがみえました。
まだ筆を持ったのは数回ながら、大きな筆に挑戦です。
四月からの就学なので、読めても思うように書けない文字があるのが普通のこの時期ですが、筆の持ち方や、紙へのおろしかたをアドバイスしながら、
固めの書き初め筆の力を借りて、しっかりとしたひらがなが書けるものです。
すきなお手本を選んでいただくと、テンポよく4種類もの言葉を、書いてくださいました。
小さな方ゆえ集中できる時間は限られていますが、元気良いかっこいい字が書けました。
満足そうなご本人とママに、私も嬉しくなります。初めての学生展挑戦を、楽しかったーと言ってくださいました。
審査を経て、優秀な作品に選ばれると、東京都美術館に陳列されますので、楽しみに待ってくださいね。
さて高校生のK君は、学校で選択した芸術科目の書道に力を入れるために、自ら望んでお稽古に通ってくださいます。
学校の授業で、空海の「風信帖」を臨書したので、学生展ではその集大成として、「風信帖」を半切に臨書作品として書いてみたい、と希望がおありでした。
お正月休みに、私の筆をお貸しして、参考手本を書いて差し上げましたので、勉強の合間を縫って、作品に書いて持ってみえました。
暮れのお稽古で大分書き込んでいたので、そちらのほうが出来は良いように思いましたが、忙中閑あり、とはいえ、忙しい高校生の意欲を思うと、
こちらも何かうれしくなって応援したくなります。
K君は、囲碁も将棋も強くて、和の心を極めようと決めている日本男児ですので、書道にも黙々と取り組んでいます。
受験を見据えて、そろそろ書道のほうはお休みされることになりますが、また時が来たら戻って来られるとのご挨拶をしてくれました。
青春は、忙しくて待ったなしのことばかりに満ちていますね。
K君、悔いない時間を送ってください。
それから、感心したもうひとつのことですが、筆をお貸しした時に、大きい筆の洗い方を、水場でお教えしたのですが、
今回帰ってきたその筆は、お貸しする前よりもきれいになっていました。
聞けば1時間かけて洗ったそうです。これはもう、大変なことです。
高校生の若さで、ここまでできることはとても稀なことです。恥ずかしながら私など、人の親になっていながら、
師匠が貸してくださった御筆を、洗い方が不十分で台無しにしてしまったことがあるのです。
ですから、筆をお貸しするときには、きちんとした状態で帰ってくることは諦めてお貸ししています。
自分で出来なかったことを、生徒さんやお弟子さんに期待するわけにはいきませんので。私の
師匠は私の失敗を笑って許してくださいましたが、私にその自信も余裕もありません。
そんな経験があるところに、K君の今回の、筆にまつわることは、頭が下がることでした。
一生の思い出になることです。
というわけで、長くなりましたが、我が生徒さんの、書道への取り組み方を、少しばかりご紹介いたしました。
人それぞれの思いがあるもの、是非とも新年をきっかけにして、気楽に書道をなさってみませんか。
お待ちしております。